新 欧 州 委 員 の 担 当 職 務 発 表 さ れ る |
2004年8月12日、次期欧州委員会委員長に内定している José Manuel
Durão Barroso 氏は、委員会メンバーの担当職務を発表した。これまで新委員会の人事は、8月後半に発表されるものとされていたため(参照)、今回の迅速な決定は各方面に驚きを与えている。各委員候補とその担当政策分野は以下の通りである。
2007年元旦、ブルガリアとルーマニアのEU加盟に伴い、両国より新しい委員が任命された (参照)。
Meglena Kuneva (ブルガリア) |
消費者政策 |
Leonard Orban (ルーマニア) |
多言語政策 |
(2004年11月までの委員とその担当政策分野は こちら)
母語のポルトガル語だけではなく、英語と仏語
を用いて行われた会見において、Barroso
次期委員長候補は、効率的な職務遂行と目標達成を念頭において、人事は決定されたと述べている。イギリスの Mandelson 氏(当初は競争政策担当と目されていた)やフランスの Barrot 氏が主要ポストからはずれる一方で(もっとも、Barroto
氏は副委員長を兼任する)、中小国出身者が要職に指名されているのは、過去の経歴・経験を考慮したためとされる。
また、委員会の使命をまっとうすべく、全委員の団結性が強調されている。このチームワークを重視する観点より、ある委員が他の委員を指揮・統括するといった人事機構は採用しないことを次期委員長候補は明確にしている。ドイツ政府が要求していた、いわゆる
Super Commissar (参照)の任命は見送られたことになるが、ドイツ出身の Verheugen 委員には、従来より多くの管轄権が与えられている。この点を踏まえ、ドイツの
Schröder 首相は、賢明な人事であったと評価している(参照)。なお、Verheugen 氏を含め、計5人の副委員長が委員長を補佐することになるが、新加盟国からも1人、副委員長に指名されている。なお、欧州憲法(条約)に基づき新設されるEU外相も副委員長になるが、この人事は欧州憲法発効後に始めて行うこととし、対外関係を担当する Ferrero-Waldner 女史は副委員長に指名されていない(参照 @ A)。
新委員会が取り組む課題の一つとして、Barroso 氏は、祖国の首都で採用された
リスボン戦略 (2010年までに、EUを世界中で最も競争力のある地域にするための戦略)の実行を挙げているが、従来の取り組みに不満を示しつつ、雇用の創出と制度改革の必要性をEU加盟国に訴えている。
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