欧州委員会委員の担当職務とプロフィール

  1999915日、欧州議会はロマーノ・プロディを委員長とする20人の欧州委員会の新しい布陣を承認した。EC条約第214条第1項によると、委員の任期は5年であるが、新委員の任期は20051月までとされている。新委員は、917日、欧州裁判所で就任に当っての宣誓を行い、22日には欧州委員会としての初会議を開催した[1]

  プロディ委員長は、新欧州委員会が取り組む主要政策課題として、EU拡大、機構改革、福祉改革、失業削減、バルカン地域の安定化を打ち出した。これらの政策の達成を目指し、EUの更なる発展の任に当る20人の欧州委員会新委員のプロフィールと担当分野は以下の通りである。

  

ロマーノ・プロディ委員長(イタリア): 事務総局/法務局/報道・コミュニケーション局

ニール・キノック副委員長(イギリス): 機構改革/人事・総務/監査局/通訳・会議局/翻訳局

ロヨラ・デパラシオ副委員長(スペイン): 対欧州議会関係/運輸・エネルギー

マリオ・モンティ委員(イタリア): 競争政策

フランツ・フィシュラー委員(オーストリア): 農業および農村開発/漁業

オッリ・レーン委員(フィンランド): 企業/情報社会

フレデリック(フリッツ)・ボルケスタイン委員(オランダ): 域内市場/税制・関税同盟

フィリップ・ビュスカン委員(ベルギー): 研究開発/共同研究センター(JRC

ヨアキム・アルムニア委員(スペイン): 経済・金融問題/統計局

ポール・ニールソン委員(デンマーク): 開発/人道援助

グンター・フェアホイゲン委員(ドイツ): EU拡大 

クリストファー・パッテン委員(イギリス): 対外関係

パスカル・ラミー委員(フランス): 通商

デビッド・バーン委員(アイルランド): 保健・消費者保護

ジャック・バロ委員(フランス): 地域政策

ビビアン・レディング委員(ルクセンブルグ): 教育・文化/出版局

ミヒャエレ・シュライヤー委員(ドイツ): 予算/財務管理/不正対策

マルゴット・ヴァルストレム委員(スウェーデン): 環境

アントニオ・ビトリーノ委員(ポルトガル): 司法・内務問題

スタブロス・ディマス委員(ギリシャ): 雇用・社会問題

  

 (参考) 欧州委員会の公式サイト
 


[1]      プローディ委員長の選出の経緯や、その前任者であるサンテール委員長と各委員の辞任に関し、入稲福智「ユーロ導入後のEU(欧州連合) 1999年上半期におけるEUの法と政策の発展 ―」平成国際大学法政学会編『平成法政研究』第4巻第1号(199911月)53100頁(6367頁)を参照されたい。



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