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Špidla 欧州委員
ヨーロッパ型社会モデル
について語る

ヨーロッパ型社会モデル

 東方拡大 後、新旧加盟国間の経済格差が顕著化している。また、新旧加盟国間だけではなく、従来の加盟国間においても、経済発展のばらつきが問題視されるようになっている。このような点を背景に、社会モデルについて検討する必要性が再認識されている(参照)。2005年10月27・28日の欧州理事会(EU加盟国首脳会議)では、この問題について協議される予定であるが(New 後に変更された〔参照〕)、10月7日付けのオーストリアの日刊紙 Die Presse には、欧州委員会の Vladimír Špidla 委員(社会政策担当〔写真下〕)のインタビュー記事が掲載されている(参照)。その概要は以下の通りである。



リストマーク ヨーロッパ型社会モデルとは?

 ヨーロッパ社会では、単に経済成長のみが重視されるのではなく、経済成長は社会的進歩(豊かさの拡大)に貢献しなければならないと捉えられている。つまり、経済成長と社会的進歩のバランス関係が重要である。この点について、加盟国は異なるビジョンを描いているが、違いは決して大きくない。


Spidla 欧州委員

Špidla 委員

© European Community,
2005



リストマーク 相違点が小さいとすれば、協議は不要なのでは?

 基本的理念は、加盟国間で大きく異なっていないが、個々の点では違いがある。そのため、10月26・27日の欧州理事会(加盟国首脳会議)では、ヨーロッパ型社会モデルの将来について話し合われる予定である。



リストマーク 2日間の首脳会議で結論は出るのか?

 協議はその後も継続されなければならないが、10月27・28日の会議では、問題解決への足がかりを模索し、また、個々の加盟国に制度改革を義務付けることになろう(社会制度について、EU/ECは強力な権限を持っておらず、個々の加盟国を支援しうるに過ぎない)。



リストマーク EU内の人口問題について

 2030年、労働者数は、現在より、2100万人少なくなっているであろう。そのため、将来は、より長く働かなければならなくなる。労働者数の減少は、少子化に起因しているが、社会調査によれば、EU市民は、今より多くの子供を欲しがっている。この希望を実現させるためには、住環境や労働時間など、社会・労働環境を見直す必要がある。もちろん、EU経済の利益になるよう、移民の受け入れについても検討されなければならず、受け入れ体制を整備する必要がある。




(参照) Die Presse v. 07. Oktober 2005 ("Brauchen Reformen, sonst sind wir verloren")

ヨーロッパ型社会モデル


(2005年10月9日)