Buttiglione 委員候補の後任選び
新欧州委員会のメンバー再編について検討している Barroso 新委員長(内定)は、2004年11月4日、人事が確定したことを明らかにした。最後まで保留されていたのは、Rocco Buttiglione 氏(イタリア)の後任選びであったが、イタリアの Silvio Berlusconi 首相は、11月4日の夕方になって、ようやく、Franco
Frattini 外相を欧州委員候補に指名し、すべてての人選が終了した。Frattini
氏は、Buttiglione 氏と同じ、司法・内務問題を担当する予定である。 |

Frattini 伊外相とProdi欧州委員長
(共にイタリア出身)
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その他の人事
元共産党員で、管轄分野(エネルギー政策)に関する知識の欠缺が批判されていた
László
Kovács 氏(ハンガリー)は、委員会に留まることになったが、その担当分野は、租税・関税政策に変更された。新たにエネルギー政策を受け持つのは、Andris
Piebalgs 氏(ラトビア)であるが、彼は、欧州統合に懐疑的な態度や汚職で批判されていた Ingrida Udre
委員候補(ラトビア)の後任に指名されている。この人事交代により、史上最多の女性メンバー数を誇っていた
Barroso 新欧州委員会からは、女性委員の数が一人減ることになる。
直前まで、企業幹部の職にあり、その中立性が問われていた Neelie Kroes 委員候補(オランダ)は、オランダ政府の強い要望により、競争政策担当委員候補に留まることになった。
今後の手続
2004年11月4~5日、ブリュッセルで開かれていた 欧州理事会 において、Barroso 欧州委員会は、新人事
(2名の交代と1名の担当分野変更)を加盟国首脳に提示し、了承された(参照)。これを受け、11月5日には、
欧州議会の各党派長に新メンバーのリストが示される予定である。また、週明け(11月第2週)には、議会による審問が開始され、信任を問う採決は、11月17日に実施される見通しである。欧州議会の影響力強化が望まれる一方で、欧州統合の円滑な発展を考慮するならば、EU機関間のさらなる対立は回避すべきとされているため、新しい人選は、議会によって承認されるものと解される。
(参照) |
Die Presse v. 5. November 2004 (EU: Barroso
stellt ein neues Team vor) |
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Der Standard v. 4. November 2004 (Zweiter Versuch der Kommission)
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