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Rehn 新欧州委員 トルコのEU加盟問題について語る |
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欧州委員会 でEU拡大を担当する Rehn 氏(フィンランド)は、トルコのEU加盟問題について、Die Presse 紙のインタビューで、以下のように答えた。
特権的パートナーシップ という代替案について
EUとトルコの間には、すでに 関税同盟 が結成されており、また、EUのバルカン半島政策に貢献するなど、すでに特権的パートナーシップは構築されている。EU加盟に代わる案は存在しない。
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労働市場統合の長期的猶予について
EU市場を開放しないとすれば、特権的パートナーシップが形成されることになるのでは? |
トルコから大量の労働者が押し寄せることをEU市民は恐れているため、欧州委員会は、セーフガード条項の導入を提案したが(参照)、セーフガード条項とは、加盟国の労働市場に大きな悪影響が生じるような場合に適用される規定である。初めから、労働者の受入れを長期的に制限するものではない。なお、セーフガード条項の適用が必要になるような状況は生じないと考えられている。
確かに、市場統合に例外を設ける加盟国もあるが(例えば、スウェーデンのかみタバコ)、いずれも些細な問題である。これに対し、労働市場や地域政策の統合といった重要な政策からトルコを完全に排除するのは認められない。
トルコのEU加盟が実現した場合、地域政策や農業政策 は破綻するのでは?
それはトルコとの交渉いかんにかかっている。いずれにせよ、EUの政策に支障が生じるようでは、トルコのEU加盟は実現しえない(第4の加盟要件参照)。
EU市民の大半が、トルコのEU加盟に反対していることについて(参照)
この問題はよく認識している。EU市民はトルコについて、もっとよく知るべきである。また、加盟交渉過程において、トルコは制度改革を徹底しなければならない。あらゆる分野で法の支配が貫徹されれば、EU市民の見解も変わることになろう。
EU・トルコ間の文化の違いについて
トルコのEU加盟は、両者間の架け橋になりうる。
むしろ「大きな溝」が生じることになるのでは?(参照)
EUは、イスラムとの対話を強化しなければならない。他方、(EU内で生じているイスラム教施設への)テロ対策にも取り組まなければならない。
キプロス問題について (参照)
トルコのEU加盟によって、問題の解決が促進されるものと考える。
オーストリアが懐疑派を先導していることについて (参照)
個々の国の状況については答えられない。
(参照) |
Die Presse v. 16. Dezember 2004 (Interview: "Ankara hat schon privilegierte
Partnerschaft mit EU") |
2004年11月、欧州委員(EU拡大担当)に就任した Olli Rehn 氏は、42歳(Barroso 欧州委員会 の中では最年少)、フィンランド出身の政治家である。過去に、欧州議員としての経歴も持つ。大のサッカー通として、また、口調が非常にゆっくりしていることでも知られている。
EU拡大担当委員としての、重要な課題は、トルコとの加盟交渉にあると解されるが、5年の任期中にEU加盟が実現する可能性は皆無である。
(参照) |
Die Welt v. 18. Dezember (Der Verhandlungsführer) |
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