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ブルガリア国旗 ブルガリアとルーマニアのEU加盟

Barroso 委員長、新メンバーを発表
ルーマニア国旗

 2006年10月末現在、ブルガリアとルーマニアのEU加盟時期はまだ確定していないが(参照)、欧州委員会は、2007年元旦の加盟を見越し、新メンバーの人選を進めている。オーストリアの日刊紙 Der Standard によると、Barroso 委員長は、10月26日、ブルガリアの Meglena Kuneva 大臣(ヨーロッパ政策担当)を新欧州委員に指名したとされる。また、その担当分野は、消費者政策とされている。現在は、キプロス出身の Markos Kyprianou 委員が健康保護と消費者政策の両方を統括しているが、ブルガリアのEU加盟後は切り離される予定であるなお、ブルガリア大統領選(10月22日実施)を考慮し、人選の発表は後送りされていた。

 他方、ルーマニアからは、Leonard Orban 氏(現職は欧州統合省次官)が選出される予定である。当初、ルーマニア政府は、エコノミストの Varujan Vosganian 氏を推していたが、EUに関する専門知識の欠缺や経済界との結びつきを理由に、欧州議会(特に社会党会派)から批判されたため、人選をやり直している(参照)。そのため、Barroso 委員長の決定も遅れ、Orban 氏を多言語政策担当委員に指名するとの見解が示されたのは10月30日である(参照)。現在、多言語政策は、教育・文化政策の中に含まれ、スロバキア出身の Jan Figel 委員によって統括されている。

 欧州委員会のメンバーは、委員長である Barroso 氏 とEU理事会加盟国首脳で構成される理事会によって指名された後、EU理事会によって任命されるが、それには欧州議会の同意が必要である(詳しくは こちら)。議会は11月に両委員候補を審尋し(聴聞会は11月28日)、12月の総会で最終決定を行うとみられている(参照)。なお、ニース条約は、委員会の定数を26に制限している(詳しくは こちら)。そのため、ブルガリアとルーマニアがEUに加盟し、27ヶ国体制になると、各国から1名ずつ、委員が任命されることにはならない(EU拡大に関する議定書第4条第2項参照)。ただし、この規定は加盟国数が27に達した後に初めて発足する委員会に適用される。現在の委員会は2004年11月に発足し(参照)、任期は5年であるため、定数が削減されるのは、2009年以降となる。なお、発効の目処がたっていない 欧州憲法条約 は、発効後、最初の欧州委員会には、各国より1名のメンバーが選出されるとし、その後は、加盟国数の3分の2に相当する人数に削減されると定めている(第I-25条第5項、第6項〔参照〕)。

 



New 2007年元旦、ブルガリアとルーマニアのEU加盟に伴い、Meglena Kuneva 氏(ブルガリア) Leonard Orban 氏(ルーマニア)が新しい欧州委員に就任した。担当政策分野は、それぞれ、消費者政策と多言語政策である (参照 @A)。



 

 

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(参照)

Der Standard v. 30. Oktober 2006 (Rumäniens EU-Kommissar Orban bekommt Ressort für Mehrsprachigkeit)

Die Presse v. 28. Oktober 2006 (EU-Kommission:
Rückzug von Rumäniens Bewerber
)

欧州委員会、2007年元旦の加盟を提案


欧州委員会の選任手続
2004年11月の委員会発足




(2006年111日 記)


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