
フランス国民投票の開始と批准否決の影響 |
2005年5月29日(日)、フランスでは欧州憲法条約批准の是非を問う国民投票が実施されるが、フランス本土に先立ち、海外県・領土 では、28日(土)に投票が開始された。これは、本土と海外県・領土間の時差を考慮したためであるが、結果速報は、フランス本土で投票が締め切られる直後(29日22時)に予定されている。
電動式投票装置の写真
フランス国内で実施されたすべての最新アンケート調査では、反対派が50%を上回っているが(約55〜56%)、5月28日(土)、欧州委員会の Rehn 委員(EU拡大担当)は、実際に批准が否決されるようなことがあれば、経済的にも、政治的にも悪い影響が生じると語っている(こちらも参照)(参照)。
他方、Verheugen 委員(産業政策等担当、兼副委員長)は、同じく28日、フランス国民が批准を否決するような場合であれ、憲法条約の生命は絶たれるわけではなく、最初の試みが成功しなかったことは過去にもあったと述べている(参照)。また、憲法条約の起草にかかわった Farnleitner 氏 (オーストリア)も、批准の見送りは破滅の始まりではなく、将来の教訓になると述べている(参照)。当初は、フランスの影響力の低下が懸念されていたが(詳しくは こちら)、新しい時代を切り開くきっかけを作ったのは、フランスであり、同国の指導力はむしろ強化されると考えることもできる(参照)。
5月29日の国民投票でフランス国民が批准を否決する可能性がほぼ確実になったことから、その影響を最小限にとどめようとする見方もでてくる一方で、2006年10月に、再度、国民投票を実施することも検討されるようになったとされている(参照)。
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