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トルコのEU加盟について |
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トルコの加盟問題 に関し、我々はジレンマに立たされている。確かに、安全保障政策やトルコの民主化・制度改革を支援するといった観点から、EU加盟はプラスになるが(詳しくは こちら)、農業・地域政策や労働者の移住など、大きな問題も存在する。つまり、高人口国トルコのEU加盟は、我々を心理的に圧迫している(詳しくは こちら)。
しかし、1999年、我々は、トルコを加盟候補国に指定し、加盟基準 の充足を要請してきた。約束は守られるべきであり、トルコが課題をこなしたのであれば、交渉を開始すべきである。しかし、トルコが全ての要件を完全に満たし、EUに加盟しうるかどうかは定かではない。それゆえ、交渉結果は、予め定められてはいない(詳しくは
こちら)。
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トルコのEU加盟が実現すれば、EU統合の密度は低下することになるのでは? トルコの加盟後、EUは自由貿易地域やコモン・ウェルスに変質するのでは?
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トルコが全ての加盟要件を満たし、ヨーロッパの一員としてEUに加盟するならば、質問のような状況は生じないであろう。
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トルコのEU加盟が将来、実現するような場合、一部の加盟国間ではより緊密な政策協力が行われているのでは?
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加盟国間で統合のスピードが異なるというような状況(詳しくは こちら)は、望ましくない。
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なお、トルコのEU加盟が実現するような場合であれ、人(労働者)の移動の自由やその他の政策分野で、同国には(長期にわたり)例外が適用されるとされている(参照)。
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欧州議会は、トルコの加盟の前提条件として、欧州憲法条約の発効を挙げているが、同条約の生命はもはや絶たれているのでは?
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非常に困難な質問であるが、生死の境を漂っているのではなかろうか。 批准を決定した国では生命を維持しているが、否決した国では、死んだものと考えられよう。
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デンマークの批准状況について
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デンマークは、いわゆる 再考期間 有効に活用し、憲法条約に関する議論を深める方針を立てている。決断は2006年初頭に下される予定である。
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当初、デンマークは、2005年9月27日に国民投票を実施する予定であったが、延期している(参照)。
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過去2回の国民投票(参照)で、デンマークは欧州統合への参加を否決したことについて
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国民投票の結果にかかわらず、デンマーク国民は、EU統合に好意的である。国民が批判しているのは、官僚主義、ブリュッセルの中央集権主義や構造上の問題である。 |