2005年10月4日(ルクセンブルク時刻)、トルコとのEU加盟交渉が開始された。交渉がEU加盟を最終目標として行われることは明らかだが、その達成が保障されているわけではない。また、民主主義、人権や基本的自由の保護、また、法の支配の諸原則に関し、トルコが重大な違反を継続する時は、交渉手続は中断されうる(詳しくは
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交渉は、EU加盟25ヶ国とトルコとの間で行われ、特に、トルコが EU加盟要件 を充足しているかどうかが調査される。EU加盟要件は、EU条約第49条と、いわゆる「コペンハーゲン基準」で定められているが、その他に、トルコは、キプロスを独立国家として承認する必要がある(詳しくは
こちら)。加盟交渉は個々のEU加盟国と申請国との間で行われることや、EU加盟には全加盟国の承認が必要であることを考慮すれば、キプロス問題 の解決は不可欠であると解される。さらに、2005年10月3日の加盟国外相会議(EU理事会)では、EUはトルコを迎え入れるだけの余力があるか、審査されることが決まった(詳しくは
こちら)。
EU法の総体系(acquis
communautaire)の受け入れ や経済力の強化など、困難な課題がトルコを待ち受けているため、加盟交渉は、10〜15年計画で実施されると解されているが、フランスの Chirac
大統領は、全ての加盟要件を満たすには、大規模な文化革命が必要になるとし、全要件の充足を疑問視している(参照)。EU財政計画上の理由から、加盟は早くて2014年となる(詳しくは こちら)。
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