トルコとの加盟交渉予定日である2005年10月3日の直前に至っても、まだ採択されていない交渉枠組みについて協議するため、EU加盟国の外相は、2日(日曜日)、ルクセンブルクで協議を再開した。しかし、この日も、オーストリアは妥協する姿勢を見せず、交渉開始の見通しが立たなかったが、3日の夜に入り、同国はようやく譲歩するに至った
。同日夜の Press Conference において、同国の Plassnik 外相(写真左)は、加盟交渉のゴールがEU加盟であることは(法的にも)明らかであり、オーストリアはこれを疑問視したことはないと述べ、周りを煙に巻いた。
なお、トルコの正式加盟を決定する前に、EUの受容力(EUはトルコを迎え入れるだけの余裕があるかどうか)を検討すべきとする条項を再度、見直すことが決まった。これはオーストリアの要請に従ったものであるが、3日午後には、かねてより同国が要請しているクロアチアとの加盟交渉開始も決定された
。約30時間に亘る協議の後、オーストリアが最終的に譲歩した背景には、これらの点に加え、米国の介入や多方面からの圧力があったと見られている(参照)。また、来年の上半期、オーストリアは、EU理事会議長国となるため、執拗なボイコットは、円滑な政策運営上、得策ではないと考えられる。
オーストリア首相の評価
オーストリアの懸念
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