EU加盟28ヶ国の中で最も喫煙率が低いのはスウェーデンですが、この順位より、わずか5%(2017年の調査)という禁煙率の低さに注目すべきでしょう。クリーンで、快適な住環境を追求するこの国では、愛煙家ですら自宅や マイカーの中では煙草に手を伸ばさないと言われいます( 参照) 。
法律によって、全ての公共施設、バーやレストランにおける喫煙が禁止されるようになったのは、2005年1月です。特筆すべきは、規制の対象が緩いという点で、電車・バスや公共施設等は含まれていません。また、大多数の議員の反対により、罰則規定の導入は阻止されましたが、禁煙法は一般によく守られています。
従来は、バーやレストランの外であれば、喫煙が許されていました。そのため、凍り付いた北欧の路上で、煙草を吹かす人もいましたが、2019年7月、外での喫煙も禁止されるようになりました。これは、2025年までに国内を全面的に禁煙にするといったスウェーデン政府の野心的な政策の一環として導入されました(参照)。
なお、このような法の規制がなくても、禁煙は広く普及しており(前述しましたように、喫煙率はわずか5%です)、例えば、ホテルであれば、全面禁煙ではないものを探すのは難しいとされています (参照) 。
ところで、スウェーデンには、スヌース(Snus)と呼ばれる煙草の代替物があり、専ら男性に愛用されています。喫煙率が低いのは、そのためと考えることができます。また、スウェーデンは、女性の方が喫煙率が高い唯一のEU加盟国ですが(参照)、これも同じ理由によると解されます。