連邦国家であるドイツでは、州に健康政策を決定する権限が与えられています。そのため、喫煙に関するルールも州によって異なる可能性がありますが、公共施設や公共交通機関における喫煙は、全ての州で禁止されています。
飲食店における喫煙は、バイエルン州、ノルトライン・ヴェストファーレン州とザールラント州で厳格に、つまり、例外なしに禁止されています。なお、これらの3州の合計人口は、ドイツ全体の約40%を占めます。
これに対し、残りの13州(首都ベルリンを含む)は、調理された料理を提供しない小規模のレストランやバーでは喫煙が許されるといった、比較的緩やかな例外規定が設けています。
なお、ドイツでは煙草製造・販売業者ないし広告業者がロビー活動を活発に行っています。そのため、公共スペースにおける煙草広告も、いまだに許されています。1990年代、EUは煙草広告を禁止する法を制定しましたが、ドイツ政府の訴えに基づき、EU裁判所は、この法律を部分的に無効と判断しています。