ドイツは連邦国家であり、州がより多くの権限を保有しています。健康政策に関する権限はその例にあたり、喫煙対策は州によって決定されるため、その内容は地方によって異なる可能性がありますが、公共施設や公共交通機関を禁煙とする点で違いはありません。
飲食店における喫煙は、バイエルン州、ノルトライン・ヴェストファーレン州とザールラント州で厳格に禁止されており、例外は認められていません。なお、これらの3州の人口はドイツ全体の約4割に達します。
これに対し、残りの13州(首都ベルリンを含む)は、調理された料理を提供しない小規模のレストランやバーでは喫煙が許されるといった比較的緩やかな例外を設けています。
なお、ドイツでは煙草製造・販売業者ないし広告業者がロビー活動を活発に行っています。その結果、公共スペース(路上やバス停等を含みます)における煙草広告は現在でも禁止されていません※。18時を過ぎれば映画館で煙草広告を流すことも許されています(参照)。これに対し、EUは、1989年、テレビ放送での煙草広告を禁止したのを皮切りに(参照)、2003年、同広告の全面的禁止に踏み切りました(参照)。なお、この規制はドイツの反対にもかかわらず、多数のEU加盟国の支持によって導入されています。ところが、議決に破れたドイツがEU裁判所に訴えたところ、路上や映画館での煙草広告まで禁止する権限はEUには与えられていないとする判決が下され、広告が全面的に禁止されるには至りませんでした(前述参照)。
※ 2022年より戸外での煙草広告は禁止されています(参照)。
〔次に進む〕
