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オーストリア

Posted on 2019年10月24日2026年1月14日 by boss

 オーストリアの喫煙率はEU平均を大きく上回っており、最も喫煙率の高い国の一つに挙げられるほどです。なお、都市部で禁煙率が高くなっています。

 喫煙率が高い要因としては、政策の遅れが挙げられます。近年は、隣接するドイツ・バイエルン州の影響を受けながら、禁煙運動が活発になっていますが(とはいえ、そのドイツも決して禁煙率が高いわけではありません)、国内政治にかき乱されているといった印象が否めません。

◎ 全面禁煙化をめぐる政治の混乱

 オーストリアでも煙草の煙から労働者を守ることを目的とした法が1985年より施行されています。

 また、2009年1月、学校・教育施設、公共施設や飲食店での喫煙が禁止されるようになりました。ただし、小規模な飲食店には例外が設けられており、受動喫煙の危険性が完全になくなったわけではありません。また、本来は喫煙が禁止される施設や大規模な飲食店でも、禁煙化が徹底されているわけではなく、違反が目立ちました。この「いい加減さ」も禁煙率が高い要因になっています。

 このような状況を改善するため、2015年7月に法律が改正され、全ての飲食店(屋外でのパーティーを含む)で喫煙が禁止されることになりました。もっとも、この法改正は約3年後の2018年5月から実施されることになっており、実際に行われるかも不透明な状況が続きます。

 2017年12月に新政権が発足すると、風向きが大きく変わり、禁煙化は白紙に戻りました。つまり、新たに政権に加わったオーストリア自由党(FPÖ)が全面禁煙の実施に強く反対し、2018年3月、つまり、全面禁煙化の2ヶ月前、議会はその中止を決定するに至ります。

 ところが、その約14ヶ月後、状況はまた変わることになりました。詳細には、2019年5月、自由党党首で、副首相を務めていたシュトラッヘ(Strache)がスキャンダルを理由に辞任すると、同党とオーストリア国民党(ÖVP)の連立も暗礁に乗り上げ、オーストリアでは総選挙が前倒しで実施されることになります。その後、自由党の勢力が弱まったことを受け、与党国民党は禁煙法を復活させ、2019年11月より実施することにしました。

 なお、この新決定の違法性をめぐりオーストリア連邦憲法裁判所に訴えが提起され、争いの場は法廷に変わります。同年10月16日、禁煙法は市民の喫煙を過度に禁止するものではないため、違憲ではないとする判決が下され、すべての障害が取り除かれた結果、ハロウィーンの週末より全ての飲食店で禁煙が実施されることになりました。シーシャバーで水煙草(シーシャ)を吸うことも許されていません(参照)。

 ところで、古くから国民の間でカトリックが信仰されているオーストリアでは煙草の煙のみが問題視されているわけでありません。詳しくは、教会で焚かれる煙も規制の対象に含まれており、青少年が参列するミサで香炉の使用は慎むべきとされています。

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