2. リスボン戦略の新サイクル(2008〜2010年)の立ち上げ
毎年3月の欧州理事会では、経済問題について協議される。2000年3月に「リスボン戦略」が採択されてからは、定期的にその実施について審議されてきたが、スロベニア政府は、特に、以下の4分野に焦点を当て、戦略の実施強化を図る。
- 研究・開発への投資
- 企業競争環境の発展
- 労働市場の見直しと人口構造変化(少子高齢化)への対応
- 気候変化を考慮に入れたエネルギー政策
3. 気候変化と新しいエネルギー政策
2007年3月、欧州理事会は、気候変化を考慮したエネルギー政策の見直しを決定している。これを受け、欧州委員会は 2008年1月末に "climate-energy
package" を発表し、EU内の議論を開始させる予定であるが(詳しくは こちら)、スロベニアは、2008年ないし2009年初めの協議成立を目標に掲げ、加盟国間の交渉を主導する。なお、スロベニア政府は、二酸化炭素排出量を削減する観点から、原子力発電の利用に積極的な姿勢を見せている。
4. EUのバルカン半島政策の強化
旧ユーゴスラビアの安定化は、ヨーロッパ内の外交・安全保障政策の重要課題の一つである。特に、コソボの将来的地位の決定については、EUにも重大な使命が課されているが、1991年6月に旧ユーゴから独立したスロベニアにとっては、極めて肝要な案件となっている。地域の安全保障や発展を実現するには、諸国のEU加盟が重要とされているが(参照)、スロベニア政府はそれを積極的に支持している。また、従来のEU加盟基準が変更されてはならないと訴えている。
EUのコソボ独立支援については こちら
5. 異文化交流の促進
27ヶ国体制に発展したEU内には、多くの文化が共存しているが、その対話を促進するため、2008年は、異文化間対話年(European Year
of Intercultural Dialogue)に指定されている(詳しくは こちら)。スロベニアは、プログラムの実施や告知に尽力する他、特に、西バルカン半島の異文化の対話を強化する。
異文化間対話年2008に関するEUの公式サイト
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