@ EU改革条約(リスボン条約)の制定
2007年6月22日、ブリュッセルで開かれた欧州理事会は、欧州憲法条約に代わる新しい条約の制定を決定し、その骨子を採択した。また、ポルトガル議長国の開始早々、新条約の制定に向けた政府間協議を開始させ、遅くとも、議長国期間が終了するまでに(つまり、2007年12月末まで)、草案を作成することを決めた。議長国期間が開始される直前に採択された、この新しい方針は、2007年下半期の最重要課題となっている。なお、EU理事会の議決方式をめぐり、ポーランド政府は強硬な姿勢を崩していないため、6月に新条約の骨子が採択されたとはいえ、新条約の制定は決して容易ではないと解されている。
A 地中海、アフリカ、南米政策の発展
拡大過程にあるEUにとって、トルコの加盟問題は最もデリケートな問題であり、2007年下半期も中心課題の一つに当たるが、ポルトガルの議長国期間中には、7年ぶりにEU・アフリカ会議が開催される。いわゆる「南ヨーロッパ諸国」の一員として、ポルトガル政府は、南方政策の発展に力を注いでいる。また、旧宗主国として、EU・ブラジル関係の強化を主要課題の一つに掲げている。
B 移民政策
自国だけではなく、スペインやイタリアといった南方のEU加盟国に、大量の移民が漂着し、大きな社会問題に発展していることを受け、ポルトガル政府は、EU移民政策の調整を主要課題の一つに掲げている。
|