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ポルトガル国旗 2007年下半期 EU理事会議長国

ポルトガル


ポルトガル議長国のロゴ 

 2007年7月1日、EU議長国のポストは、ドイツからポルトガルへ引き継がれた。ポルトガルがEU(当時はEC)に加盟したのは1986年1月と決して早いわけではないが(参照)、東方拡大 以前より加盟していた「古参」の15ヶ国の一つである。旧西側諸国の中では経済発展に遅れ、失業問題が深刻化している点で、ポルトガルは、2004年5月にEU加盟を実現した中東欧諸国と同様の問題を抱えているが、2008年上半期は、新加盟国の先陣をきって、スロベニアがEU議長国を務める。そのため、2007年下半期は、旧体制から新体制への移行する最終段階として捉えることもできる。新しい時代に対応させるためのEU改革が2007年下半期の最大の課題となっていることも見過ごしてはならない。

 なお、2004年11月より欧州委員会の委員長を務める Barroso 氏 はポルトガル出身の政治家(保守)である。委員長に就任するまで同国の首相 であった。2005年3月より、社会党の Sócates 党首が首相の職にあるが、国内制度改革や失業問題対策に積極的に取り組んでおり、外交(EU政策)が政策の中心に据えられているわけではない(参照) 。





理事会議長国
の順番


ドイツ国旗
ドイツ
(2007年上半期)

矢印
ポルトガル国旗
ポルトガル
(2007年下半期)
矢印

スロベニア国旗
スロベニア

(2008年上半期)



リストマーク 2007年 下半期(ポルトガル議長国期間中)の主要課題 リストマーク


@ EU改革条約(リスボン条約)の制定

 2007年6月22日、ブリュッセルで開かれた欧州理事会は、欧州憲法条約に代わる新しい条約の制定を決定し、その骨子を採択した。また、ポルトガル議長国の開始早々、新条約の制定に向けた政府間協議を開始させ、遅くとも、議長国期間が終了するまでに(つまり、2007年12月末まで)、草案を作成することを決めた。議長国期間が開始される直前に採択された、この新しい方針は、2007年下半期の最重要課題となっている。なお、EU理事会の議決方式をめぐり、ポーランド政府は強硬な姿勢を崩していないため、6月に新条約の骨子が採択されたとはいえ、新条約の制定は決して容易ではないと解されている。


 

A 地中海、アフリカ、南米政策の発展

 拡大過程にあるEUにとって、トルコの加盟問題は最もデリケートな問題であり、2007年下半期も中心課題の一つに当たるが、ポルトガルの議長国期間中には、7年ぶりにEU・アフリカ会議が開催される。いわゆる「南ヨーロッパ諸国」の一員として、ポルトガル政府は、南方政策の発展に力を注いでいる。また、旧宗主国として、EU・ブラジル関係の強化を主要課題の一つに掲げている。


B 移民政策

 自国だけではなく、スペインやイタリアといった南方のEU加盟国に、大量の移民が漂着し、大きな社会問題に発展していることを受け、ポルトガル政府は、EU移民政策の調整を主要課題の一つに掲げている。


 


Link 議長国の公式サイト(英語)