2005年6月17日、EU加盟国首脳は、EUの 次期財政計画 について、夜遅くまで審議を重ねたが、25ヶ国の意見はまとまらず、協議は失敗に終わった(詳しくは こちら)。
日付が変わり、0時30過ぎより行われたプレス・コンファレンスにおいて、Juncker 議長(ルクセンブルク首相) は、EUは単なる危機ではなく、深刻な危機に陥っていると述べた(参照)。また、比較的貧しい 新規加盟10ヶ国 がEUのために、自らの利益を放棄するとしたのに対し、豊かな国が妥協する姿勢を見せないのは恥ずべきことであるとして、イギリスを批判した。当初より、イギリスは
優遇策 の見直しに強く反対していたが、議長国の最終妥協案にも同意せず、協議は物別れに終わった。7月より、イギリスが 理事会議長国 を務めることについて、Juncker 議長(ルクセンブルク首相) は、ノー・コメントとした。また、私の考えに強く反対するであろうから、何も助言はしないと述べた。他方、財政計画を成立させるため、妥協する姿勢を見せたドイツや
新規加盟10ヶ国 を高く評価した。
その後のコメント
なお、 Blair 首相も Juncker 議長(ルクセンブルク首相) の記者会見と同じ時間帯にプレス・コンファレンスを開き、議長案を退けた自らの態度を正当化すると共に、農業政策偏重のEU財政制度や 社会モデル の見直し(modernisation)の必要性を改めて訴えている。
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