
フランスの批准否決の影響
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2005年5月29日の国民投票で示されたフランス国民の明確な意思表示(参照)は、EUや加盟国に大きな衝撃を与えているが、両者とも、憲法条約の「生命」が絶たれたことを否定している。また、従来どおり、批准手続は継続されるべきであるとしている。なお、唯一、チェコの
Václav Klaus 大統領は、批准手続の続行はもはや意味をなさないとし、その中止を訴えている(参照@、A)。かねてより、同大統領は、憲法条約に批判的な発言を繰り返している(詳しくは こちら)。
5月30日、欧州議会 の Josep Borrell Fontelles 議長、EU理事会 議長国の Jean-Claude Juncker 首相、 また、欧州委員会 の Barroso 委員長 は、共同で声明を発表しているが(参照)、その中で、国民投票の結果は、フランス政府によって詳細に分析されるべきであると述べている。また、国内やEUの政治家は、何が問題になっており、この点について、EUは何を行うことができるのかについて、市民に明確に説明すべきであるとしている(詳しくは
こちら)。これは、フランス国民が、憲法条約そのものではなく、国政に対する不満から、批准に反対票を投じたことへの批判と見ることができよう。なお、2004年6月の欧州議会選挙の際にも、欧州統合そのものよりも、国内問題が争点になっており、問題のすり替えが生じていると批判されている。また、深刻な国内問題をEUに転嫁されてはならないことも従来より指摘されている。国民投票は、2年後の大統領選挙の前哨戦としても捉えられていたが、5月30日、Raffarin
首相は、辞任を表明している(詳しくは こちら)。
なお、国民投票の際に行われた議論の中で、サービス市場自由化に対する懸念が強く指摘されているが、5月30日、欧州委員会の McCreevy 委員(域内市場政策担当)は、国民投票の結果は現在進行中の立法化に影響を及ぼさないと述べている。
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