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E U 加 盟 国 外 相 会 議  始 ま る


 2004年12月16・17日、EU加盟国首脳会議が開催されるが参照、それに備え、加盟国外相会議が、12月13日、ブリュッセルで開かれる。主な議題は、トルコとの加盟交渉の開始についてである。



トルコのEU加盟について 合意成立せず



リストマーク トルコのEU加盟、代替案の採択

 トルコのEU加盟を認めるか、または、加盟に代わるパートナーシップ の構築を目指すべきかという問題が浮上しているが、12月13日の外相会議では、見解がまとまらなかった。ドイツイギリスオランダは、トルコのEU加盟を支持するとされ、Fischer 外相(ドイツ)は、加盟に代わる目標を掲げれば、トルコの制度改革は失敗に終わりかねないと述べた。

 他方、フランス は、基本的に加盟に賛成しているものの、国内政党の圧力を受け 、代替案を模索している。また、オーストリアデンマークも加盟の実現に消極的で、12月16・17日の決定には、代替案(特権的パートナーシップの形成)を盛り込むべきであるとしている。

 キプロスは、自国の承認を加盟交渉開始の条件にする構えを見せている。


リストマーク 交渉の開始時期 

 前述したように、トルコの地位について争いがあるが、加盟交渉を開始することそれ自体には異論はないと解されている。もっとも、その時期については、合意がまとまっていない。2002年12月、欧州理事会(コペンハーゲン)は、交渉の開始が決定されれば、遅滞なく、交渉を開始するとしたが、フランスは、欧州憲法条約の批准に悪影響がでることをおそれ参照、2005年秋以降に実施すべきとしている。


リストマーク 交渉の中止

 欧州委員会が提案するように参照、加盟交渉中止の可能性についても見解がまとまっているとされる。なお、交渉の中止は、欧州委員会だけではなく、加盟国の3分の1の賛成によって、提案されうるとしているが、これは、オランダ案に合致している。


リストマーク EU予算の決定

 さらに、トルコの加盟に伴う財政的影響については、2014年以前のEU予算では考慮しないとすることで合意が成立しているとされる。



(参照) Die Welt v. 14. Dezember 2004 (EU-Ausenminiter erzielen keine Einigung uber Beitritt der Turkei)

(2004年12月14日 記)




 12月13日、オーストリアの Ursula Plassnik 外相は、EU加盟が唯一の目的であるか、または、全当事者が満足しうる代替案があるかどうか注意深く検討しなければならないと述べた。また、加盟交渉の方法や将来の計画を具体的に定めなければならないが、そもそもEUは新たに第3国を受け入れるだけの余裕があるかどうかについても検討する必要性を指摘した。さらに、トルコが加盟基準を満たしている点については、特に、人権の保護について、今後も一貫して、徹底した取り組みがなされることが重要であると述べた。



(参考)  Der Standard v. 13. Dezember 2004 (EU-Außenminister bereiten Türkei-Entscheidung vor)


(2004年12月13日 記)