リ ス ボ ン 戦 略 − 欧 州 委 員 会 の 新 プ ロ グ ラ ム |
2005年2月、欧州委員会は、広範かつ野心的な リスボン戦略 の目標や内容を制限し、 @ 経済成長と A より質の高い雇用の創出に集中的に取り組むことを提案しているが(参照)、欧州理事会(同年3月開催)、欧州議会、また、ソーシャル・パートナーによって支持されている。これらの目標は、基本的に加盟国によって実現されなければならないが、同年6月、欧州理事会(参照)は、国内政策の基礎となる指針を採択している。また、それと同時に、欧州委員会にも "Community Lisbon Programme"
の策定を要請している。これを受け、委員会は、7月20日、新しいプログラムを発表した。その中では、@ 教育・研究や技術革新の奨励、A 投資先や労働市場としてのEUの魅力を高めること、また、B
より質の高い雇用の創出が目標として掲げられているが、その実現のために以下の政策が重視されている。
・ |
教育・研究や技術革新の支援
|
・ |
国による企業補助の見直し
|
・ |
企業活動法制の改善・簡素化
|
・ |
域内サービス市場の完成(参照)
|
・ |
ドーハ開発アジェンダをめぐるWTO交渉の成立(参照)
|
・ |
労働者の移動の自由の制限要因の撤廃
|
・ |
経済移民問題に関する共通の政策の発展
|
・ |
経済改革より生じた社会問題への取り組みの支援
|
これらは、個々の加盟国が単独に取り組むだけでは不十分であり、EUによる補充が必要とされる分野を対象にしている。個々の加盟国の措置は、2005年10月に発表される予定である(参照)。
新しい計画の発表にあたり、欧州委員会の Barroso 委員長 は、進展する経済の国際化の中でEUが競争力を維持し、現在の高い社会水準を維持するためには、経済・社会モデル改革が不可欠であると述ている(参照)。また、Verheugen 副委員長 は、"Community Lisbon Programme" は市民のEU不信(参照)に対する最初の取り組みであるとした上で(参照)、加盟国に徹底した制度改革を要請している(参照)。
|