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ブルガリア国旗 ブルガリアとルーマニア、EU加盟に向け前進 ルーマニア国旗


 2007年元旦のEU加盟に向け、ブルガリアとルーマニアは作業を進めているが、2005年10月25日、欧州委員会は、進捗状況について報告書を発表した。それによると、両国は目標の実現に向け邁進しており、今後も制度改革が徹底して行われるならば、2007年元旦のEU加盟は可能であるとされている。もっとも、EU法の総体系 の受け入れに関し、作業が非常に遅れており、2007年の加盟を危ぶませる恐れのある分野がまだ残っていることも同時に指摘されている。これらは、農産物の安全基準、欧州地域開発基金 への参加、汚職撲滅対策、組織犯罪対策 である(参照)。




New オーストリアの日刊紙 Die Presse によると、10月27日、欧州委員会の Rehn 委員(EU拡大担当)は、まだEUの基準に達しておらず、深刻な問題が存する分野は、ブルガリアには16、また、ルーマニアには14あると 述べた。また、最大の懸念は汚職撲滅対策が遅れていることであり、これは両国に共通しているとされる(参照)。




 なお、いわゆる、コペンハーゲン基準 (EU加盟要件)のその他の要素である、@ 政治的基準は満たされており(もっとも、司法制度の強化や人権保護がさらなる課題とされる)、また、A 経済的基準の充足も順調に行われているとされる。

 2006年4月ないし5月、欧州委員会は両国の状況について再び調査することになっている(New 欧州委員会、5月に報告書発表)。その時点においても、2007年元旦までにEU加盟要件の充足が明らかに不可能であると判断されるならば、欧州委員会は、加盟の1年延期を提案することになる。



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 ブルガリアとルーマニアのEU加盟(2007年元旦の加盟)について、欧州委員会はまだ最終的な判断を下しているわけではないので、両国政府は、その判断を冷静に受け止めているとされる(参照)。ルーマニアの Basescu 大統領は、報告書を厳格かつ客観的と評価したうえで、司法機関(判事や検事)に汚職撲滅対策を徹底するよう要請している(参照)。





(参照) Press Relase of the European Commission of 25 October 2005

European Commission, Comprehensive monitoring report on the state of preparedness for EU membership of Bulgaria and Romania, Brussels, 25 October 2005, COM (2005) 534

Der Standard v. 25. Oktober 2005 (Basescu bewertet EU-Bericht als "streng, aber objektiv")
 

Die Presse v. 27. Oktober 2005 (Erweiterung: Brüssel droht Rumänien und Bulgarien mit Warteschleife)



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(2005年10月26日 記 10月27日 更新)