2005年6月5日付けのオーストリアの日刊紙 Der Standard に、Aleksander Smolar 教授に対するインタビュー記事が掲載されているが(参照)、その要旨は以下の通りである。
イギリスの批准手続一時凍結について
2005年6月6日、イギリス政府は、批准手続を一時凍結すると発表したが、これは、フランス や オランダ に次ぐ「第3のNo」であり、ルクセンブルク や デンマーク にもネガティブな影響を及ぼす。そのため、憲法条約はもはや救済しえない状態にある。
憲法条約の最大の問題点
憲法条約の最大の問題点は、その名称にある。つまり、「憲法」という名前は、「国家」が建設されるといった誤った印象を与える。従来のような名称であれば(詳しくは
こちら)、問題なく批准されたと解される。
批准危機の打開策
現在の危機を克服するために最も重要なのは、速やかに判断を下すことである。ユーロの下落を止め、不安定要素を早急に取り除く必要がある。
その他に、個々の加盟国内ではなく、EUレベルで国民投票を実施することも有益であると解される。また、冷却期間を設け、秋口から、協議を再開することも考えられるが、現在の憲法条約を2〜3に分割し、通常の条約として、国内議会の審議によって批准するのも一つの方法である。
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