4. EU第2次法(Rome I〜III規則等)
(3) Rome III規則
・ Rome III規則の制定が滞った理由
Rome III規則(離婚および法的別居の準拠法に関するEU第2次法)の制定に際し、スウェーデンは、離婚を認めないか、または厳格な条件の下でのみ認める外国法の適用に反対した。これに対し、マルタは離婚を容易に認める外国法(例えば、スウェーデン法)の適用に反発した。このように、抵触法の制定に際し、準拠法の内容までもが重視されるようになった結果、EU理事会は、全会一致で
Rome III規則を制定することができなくなった。
その打開策として、Rome III規則は、緊密な政策協力の形式で制定され、それに参加する加盟国間でのみ適用される(マルタは参加しているが、スウェーデンは参加していない)。
なお、マルタ法が準拠法に指定されるときであれ、加盟国は自国法に照らし、離婚を成立させることができる(第10条)。他方、マルタの裁判所は、外国法を適用し、離婚判決を下すことが義務付けられているわけではない(第13条)(詳しくは
こちら)。
・ Rome III規則の概要は こちら
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