ただし、第2次法(EC条約等に基づき、ECの諸機関によって制定される法令)の中には抵触規定を含むものがある。特に、消費者保護に関する一連の指令(directives)は準拠法について定めているが、これはEC条約第153条(消費者保護)に基づき発せられている。その他の例について、Wendehorst,
§ 8 Internationales Privatrecht, in Langenbucher ed.,
Europarechtliche Bezüge des Privatrechts, 2008, pp. 376-419,
paras. 36-40
を参照されたい。なお、一般的な抵触法の制定権限は1999年5月に発効したアムステルダム条約に基づき初めてECに与えられている(EC条約第61条参照)。この新しい権限に基づき、EC(厳密には、その立法機関である欧州議会とEU理事会)は、2007年7月に契約外の義務(不法行為責任)の準拠法について、また、2008年6月には契約債務の準拠法について、それぞれ規則を制定している(Regulation
No 864/2007, OJ 2007 L 199, 40 – Rome II; Regulation No
593/2008, OJ 2008 L 177, 6 – Rome I)。また、すでに2000年5月には、破産手続に関する規則も採択されているが(Regulation
No 1346/2000, OJ 2000, L 160, 1)、その中にも多くの抵触規則が盛り込まれている。これらの点について、Wendehorst,
supra note, paras. 10-12, 14-40 and 50-78
を参照されたい。