1. 総論
EC法は国際条約である第1次法と、それに基づき制定された第2次法からなるが(参照)、加盟国の立場からすれば、これらは国際法である。もっとも、その効力ないし法規範力が強いという点で、一般の国際法とは異なる (一般の国際法としてのWTO諸協定の効力については こちら)。
なお、EUの第2の柱 と 第3の柱において採択された法令(EU法)は、第1の柱(EC)の法令のような特殊性を備えていないため、一般国際法として捉えることができる(参照)。
他方、国際機関であるECの内部において、EC法は、いわば国内法としての性質を有する。
これに対し、国際慣習法やECによって締結された国際条約は、いわば、ECの国際法に当たる( 参照)。これらの国際法は、「EC法体系に組み込まれた法規範」(つまり、EC法の一部)として、また、国際法として、加盟国を拘束する(EC条約第300条参照)。
なお、ECによって締結された国際条約は、第2次法にあたる。これは、EC条約に基づき、EC諸機関によって締結されるためである(ECによる国際条約の締結については こちら)。
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国内法とEC法が矛盾する場合、どちらが優先するであろうか。
EC法の優先
A
EC法は、加盟国法に置き換えることなく、加盟国内で、直接、適用されるであろうか、それとも、何らかの措置を必要とするであろうか。
EC法の直接適用性
B
個人(EU市民)は、EC法を直接の根拠として、加盟国やECに対して訴えを提起しうるであろうか。
EC法の直接的効力