アンカラ議定書 の履行ないし キプロス問題 をめぐり、トルコのEU加盟交渉が暗礁に乗り上げている(参照 @、A)。
2006年12月14・15日、EU加盟国首脳(欧州理事会)は、今後の交渉のあり方について検討する予定であるが、その開催を1週間後に控え、トルコは譲歩する姿勢を見せている。現在、EU理事会議長国を務める
フィンランド によると、トルコは、少なくとも大きな海港の一つは、キプロスからの船舶の乗り入れを「暫定的に」認める用意があるとされる。この点について、フィンランドの
Erkki Tuomioja 外相は、12月7日、まだまだ完全とはいえないが、アンカラ議定書 の完全実施に向けた1歩として評価している(参照)。また、トルコのメディア報道によれば、トルコ政府は、EUが北キプロス(トルコ系キプロス)に対する経済制裁を解除するならば、自国内の海港と空港の1つをキプロスに対し開放する用意があるとされるが(参照)、トルコの譲歩案の詳細は、いずれも明らかになっていない。なお、キプロス政府は、北キプロスへの制裁を緩和するためには、キプロス問題の全面的解決が必要になるとし、上述したトルコの要求を退けているとされる(参照)。
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