EU加盟に備え、トルコは、2002年2月より、7つの法案を採択してきた。特に、刑事法の改正に関しては、EUより厳しい批判を浴びたが(参照)、一連の作業は、2004年12月13日に終了している(参照)。12月16・17日、EU加盟国首脳は、トルコと加盟交渉を開始すべきかどうか決定することになっているが(参照)、それに先立ち、トルコは自らの課題を達成したことになる。もっとも、新法の実効性や適用については、批判的な見方もある。例えば、警察官による拷問を取り締まるため、罰則が強化されたが、訴追の見送り、裁判手続の引き伸ばし、時効(5年)による刑の免除、また、実刑判決の回避など、適用上の問題点が指摘されている(参照)。人権侵害には断固として取り組むよう、EUはトルコ政府に要請している。
また、少数民族の権利保護の一環として、(私立学校では)クルド語などによる授業や、少数言語による放送が許可されるようになったが、公の場でクルド語を使用した政治指導者は、従来どおり、刑事訴追されている。また、生徒のほとんどはクルド人であれ、公立学校では、クルド語による授業は禁止されているとされる。これは、トルコの独立について定めた ローザンヌ条約 に反しており、早急の対応が求められている。
他方、死刑の廃止など、法改正が定着している分野もあるとされる。
トルコの刑事法改正
(参照) Die Welt v. 15. Dezember 2004 (Wunsch und Wirklichkeit) |
(2004年12月15日 記) |
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