Abdullah Gül トルコ外相のインタビュー記事の要旨 |
2004年10月20・21日、トルコの Abdullah Gül 外相は、ドイツの Fischer 外相や各政党の党首と会見し、母国のEU加盟支持を訴えたが、10月19日付けの
Frankfurter Allgemeine (FAZ) 紙と Die Welt 紙には、Gül 外相のインタビュー記事(それぞれ独自の会見によるものである)が掲載された。その要旨は以下の通りである。
10月6日に発表された欧州委員会の見解について (参照) (FAZ 紙)
他の加盟申請国と平等に扱われることが最も重要である。委員会の提案どおり、人の移動の自由について経過措置が設けられるにしても、特に問題はない。肝心なのは、EUの感情や、EU・トルコ間の関係が悪化しないことである。
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Gül 外相
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加盟交渉の開始時期について (参照) (FAZ 紙)
交渉の開始が決定されれば、6ヶ月以内に開始されるとする見解が有力である。
加盟が実現する時期について (FAZ 紙)
イギリスやスペインの例を考慮すれば、交渉は長期化するものと解されるが、加盟がいつ実現するかは、トルコの努力にもかかっている。具体的な時期を挙げることは控える。
フランス政府がトルコのEU加盟に抵抗していることについて (参照@ A) (Die Welt 紙)
トルコのEU加盟について議論が交わされていることは理解できるし、恐れていないが、国内政治の道具にされてはならない。3年前、トルコのEU加盟を支持するフランス人は、わずか18%に過ぎなかったが、現在は38%に達しており、大いに期待しうる(Die Welt 紙)。
キプロス問題について (Die Welt 紙)
国連事務総長案が採択されておれば、キプロス問題も解消されていたであろうが、これは、ギリシャ系キプロスの反対にあい実現しなかった。トルコやトルコ系キプロスは、なしうることは、すべて実行した(参照)。
ドイツの野党 CDU・CSU が提唱している「特権的パートーナー」について (参照) (Die Welt 紙)
「特権的パートナー」という地位は、非常に不当であり、受け入れられない。それは、同時にEUに対するイメージを悪くするであろう。EU加盟が実現しないからといって、その他の地域との関係が強化されることにはならないであろう。

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EU加盟が実現した場合、何百万ものトルコ人がEUに移住し、また、トルコに対する経済支援が膨大になるとする予測について(参照) (Die Welt 紙) |
そのような推測は正しくない。

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人権保護水準が低いとされることについて(参照) |
そのような批判も適切ではない。法律の改正により、現在では教会の建築も自由である。日本人も寺を建設することが可能である(参照)。
ドイツ製戦車の輸入について
以前、トルコから話しを持ちかけたときは、ドイツ政府与党(緑の党)の反対にあい、交渉は実現しなかったが、現在は、ドイツ製に対する需要がない。
(参照) |
FAZ v. 19. Oktober 2004 (Die Seele der EU nicht beschädigen)
Die Welt v. 19. Oktober 2004 (Die privilegierte Partnerschaft ist für uns inakzeptable) |
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