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ギ リ シ ャ 系 キ プ ロ ス  国 連 案 否 決


 
2004年4月24日(土)、キプロス全島では、キプロス統一案の是非を問う国民投票が実施された。トルコ系キプロスでは国連案支持派が 64,9%に上ったのに対し、ギリシャ系キプロスでは4分の3以上の有権者が反対を表明し(75.8%)、和平案は採択されなかった。これに伴い、来る5月1日には、ギリシャ系キプロスのみがEUに加盟することになる。


   リストマーク トルコ系キプロスが国連案に賛成した主な理由 

国際的孤立の解消
 現在、トルコ系キプロスを承認しているのは、トルコのみである。

経済発展
 キプロス全島のEU加盟が実現すれば、EUからの経済援助が受けられる他、市場が拡大する。




   リストマーク ギリシャ系キプロスが国連案に反対した主な理由

安全保障問題
 国連案は、トルコ軍のキプロス駐留を認めているが、これではギリシャ系住民の不安が解消されないとされている。なお、ギリシャ系住民の中からは、国連案には反対したが、統一そのものに反対したわけではないとの 声も聞かれる。



 ギリシャ系キプロスのEU加盟により、今後、キプロス問題は、EU内部の問題として扱われることになり、特に、トルコとの外交問題を困難にする可能性がある。和平成立に向けたトルコの態度を評価する立場もあるが、いずれにせよ、同国のEU加盟の障害であり続けることに変わりはないとする見方もある。

 なお、今回の国民投票の結果、和平を妨害しているのは、ギリシャ系キプロスであるとの認識が強まり、同国に批判が向けられる一方(Papadopoulos 大統領は国連案を否決するよう国民に呼びかけていた)、国連案を支持したトルコ系キプロスの政治的・経済的孤立を解消する動きが見られる。EUをはじめ、米国は、ギリシャ系キプロスに対する制裁を解除する姿勢を見せている。週明けの4月26日(月)、ルクセンブルクにおいて、EU加盟国外相は、今後の対応について協議する予定である。

   リストマーク 欧州委員会による提案




リストマーク キプロス問題一般
リストマーク 和平交渉の再開
リストマーク 和平交渉の失敗
リストマーク キプロス全島のEU加盟条件




      
(参照) Yahoo! News  @ A B C [ドイツ語]