外国企業の誘致や外国からの投資を奨励し、国内経済を発展させるため、中東欧諸国は、法人税を引き下げている。また、法人と個人(自然人)の税率を一律にし、租税体系の簡素化を図っている。例えば、現在、エストニアでは、法人、個人の所得に課される税率はともに23%であるが(3年前は26%)、3年後には20%に引き下げられる予定である。同国の
Andrus Ansip 首相は、さらに18%にまで削減する用意があるとしているが、このような減税策に惹かれ、国内から企業の流出が相次いでいる西欧諸国(例えば、ドイツ)は、租税ダンピングとして厳しく批判している(参照)。これに対し、Ansip 首相は、外国からの直接投資に対するドイツの割合は1.9%と小さく、減税策の影響を否定している。また、逆に、エストニアはドイツからモノやサービスを大量に輸入しており、ドイツ経済の発展に貢献していると反論している。同様の見解は、他の中東欧諸国の首脳の中からも発せられているが(参照)、EU新旧加盟国間の溝は埋まっていない(参照)。
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エストニアの
Andrus Ansip 首相
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2005
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