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東 欧 の デ ト ロ イ ト ― ス ロ バ キ ア

スロバキア 多くのスロバキア人にとって、2004年5月1日のEU加盟(リストマーク 東方拡大)は、遅きに失したと受け止められているとされる。本来帰属すべきヨーロッパへの回帰は、冷戦の終結から15年も待たされたためである(参照)。しかし、EU加盟の恩恵は計り知れない。

 西欧諸国からの投資ブームは、すでにEU加盟前より始まっていたが、加盟によって、スロバキアは、さらに外国投資家の信頼を獲得した。また、Dzurinda 首相の下で数年前より実施されている一連の制度改革は、従来のEU加盟国からの投資を加速し、国内経済の発展に貢献している。特に注目されているのは、税率の引き下げ・単一化(税率を19%に統一[Flat Tax])や、年金・健康保険制度に市場経済原理を取り入れたことである。ドイツやフランスなどに見られる「ヨーロッパ型社会モデル」よりも、企業活動を奨励し、競争力の強化を尊重したスロバキアの労働市場は、西欧自動車メーカーの関心を集め、現在では「東欧のデトロイト」に発展している(参照)。

 欧州統合に対する支持率も高く、2005年1月の Eurobarometer のアンケート調査によると、欧州憲法条約 の支持率は、イタリア、ベルギー、オランダに次いで、4番目に高い(参照)。これは目標の定まらない、ダイナミックな欧州統合に懐疑的な見方が強い、かつての同胞 チェコとは対照的である。


(参照) FAZ v. 28. Apirl 2005 ("Glückliche Pragmatiker")

スロバキア大統領の見解


(2005年4月30日 記)


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