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欧州憲法


フランス国民が憲法条約を支持しなかった理由

フランス国旗 2005年5月29日、フランスで実施された国民投票では欧州憲法条約の批准に反対する国民が過半数に達した(54.87%、詳しくは こちら)。 テレビ放送局の France 2 と Louis Harris-Institut が実施したアンケート調査によると、EC域内市場のリベラル化やそれに伴う雇用情勢の悪化、また、国内政治に対する不満が背景にあることが分かった(こちらも 参照)。また、憲法条約に関する協議の再開を求める意見も30%を超えている。各調査の結果は以下の通りである(参照)。





Louis Harris-Institut のアンケート調査結果

リストマーク 反対票を投じた理由は?

46% 国内の失業率はさらに悪化するため

40% 現在の政治に対する不満を表明するため

35% 憲法条約の再協議を可能にするため

34% 憲法条約は非常にリベラルであるため

34% 憲法条約の内容は理解しがたいため



リストマーク フランスに対する影響は?

57% フランスの地位は弱まらない

41% フランスの地位は弱まる



リストマーク 賛成票を投じた理由は?

52% 大国との関係でEUを強化すべきであるから

44% EUの発展のため

42% EUにおけるフランスの力を維持するため


リストマーク 政府にお灸をすえるべきか?

62% 首相は退陣すべきである

27% そう思わない

11% 無回答


France 2 は、国民投票が実施された5月29日、約1500人に対し電話で調査を行っている(参照)。






Louis Harris-Institut のアンケート調査結果

リストマーク 憲法条約の批准に反対する理由は?

38% 憲法条約の再協議を求めるため

32% リベラルなEU政策に反対するため

31% (政治に対し)一般に不満を持っているため

27% フランスの独立性を守るため

25% 経済・社会的状況に不満なため

25% 政府に対する不満から

22% トルコのEU加盟に反対するため

18% ヨーロッパ政策に納得していないため

14% Chirac 大統領に不満があるため



リストマーク 憲法条約を支持する理由は?

59% 国際舞台におけるヨーロッパの影響力を増すため

39% 欧州統合を支持するため

33% EUの結束力を強化するため

26% EU内におけるフランスの地位の低下を阻止するため

23% 批准反対運動を阻止するため

13% 憲法条約は社会的側面を改善しているため

10% ヨーロッパにおける自らの将来をより良くするため


日刊紙 Libération の委託を受け、1402人にアンケートを行っている(参照)。







Eurobarometer の調査結果 New


フランス国民投票、憲法条約の批准を否決

フランスの批准見送り危機

Q & A

憲法条約批准手続のゆくえ



(参照)

Europäische Kommission, Vertretung in Deutschland,  EU-Nachrichten 2005, Nr. 20, Seite 6



(2005年6月23日 記)