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欧州憲法


フィンランド、年内批准を断念

フィンランドの国旗 憲法条約の批准について、フィンランドでは、国会が審議することになっている。そのための資料として、同国政府は、2006年秋、憲法条約の内容について検討した報告書を国会に提出し、同年末ないし2006年初めに採決をとる計画を立てていた。しかし、2005年10月17日付けの Der Standard 紙によると、Matti Vanhanen 首相は、10月16日、批准を先送りする方針を示したとされる。2006年下半期、フィンランドはEU理事会議長国を務めることになっており、それまでに批准が完了していなければ、同国のリーダーシップは損なわれるとも指摘されているが、Vanhanen 首相は、国会議員の過半数が批准に賛成していることは周知の事実であるとして、批判を退けている(参照)。

 フィンランドが早期批准を見送った理由について、Der Standard 紙は特に触れていないが、憲法条約の発効はもはや幻に過ぎないとする Barroso 欧州委員会委員長の発言 は現在の情勢を反映している。この発言は、後に欧州議会議員によって批判されているが、Barroso 委員長は現状を語ったまでであると弁明している。


 ・ フィンランド、国民投票の実施を見送り

 ・ フィンランド国会、批准を決定 New



(参照) Der Standard v. 17. Oktober 2005 ("EU-Verfassung in Finnland: Bitte warten")

憲法条約の批准

  ・ 批准状況
  ・ 批准危機


ラトビア大統領の悲観論

デンマーク首相の見解

Barroso 欧州委員会委員長の見解


(2005年10月20日 記 2006年5月12日 更新)