2005年6月16日夜、欧州理事会 がブリュッセルで始まった。初日の16日は、欧州憲法条約の批准 について話し合われたが、23時過ぎより開かれたプレス・コンファレンスで、EU理事会の Juncker 議長(ルクセンブルク首相) は、批准手続は続行すべきという点で全加盟国の見解は一致したと述べた。また、より優れた憲法条約や代替案(Plan B)などありえないことを強調した。ただし、フランス と オランダ の国民投票の結果を考慮し、「検討、説明、議論の期間」(une période de réflexion, d’explication
et de débat/a period for reflection, clarification and discussion
)を設けることになったと述べた(いわゆる Plan D
の採択)。つまり、加盟国は国民の声に耳を傾けるべきであり、国民との対話や議論に、より長い時間を必要とする加盟国には時間を与え、批准を急がせてはならないとされている。この決定は、これから国民投票の実施を予定している加盟国 を考慮したものと解されるが、国民との対話や議論に時間が必要な場合は、国民投票の延期も可能であるとされている。なお、Juncker 議長は、国内議会の判断に委ねる加盟国は、手続を中断することなく、従来の予定通り、審議してよいと述べている。国民投票や国会審議の時期は、加盟国によって決定される( 7ヶ国、批准手続を延期)。
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