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欧州憲法

Plan D

EUの旗 2005年6月16日、欧州理事会 は、憲法条約 に関し、「検討、説明、議論の期間」(une période de réflexion, d’explication et de débat/a period for reflection, clarification and discussion )を設けることを決定した。この新たな計画は、キー・ワードである discussion, dialog, democracy (さらに、ドイツ語のDenkpause)の頭文字を取り、Plan D と呼ばれるが、Barroso 欧州委員会委員長 が「名付け親」とされている(参照)。16日夜のプレス・コンファレンスにおいて、Juncker 議長(ルクセンブルク首相) は、現在の憲法条約に変わる新たな条約などありえないとし、Plan B (憲法条約に代わる新たな案という意)の存在を否定する一方で、Plan D の重要性を訴えている(詳しくは こちら)。

 Plan D は、EU市民との対話や議論を徹底させ、憲法条約に対する理解・支持を深めることを目的としている。「検討、説明、議論の期間」を「EU市民に納得させる期間」と呼び改めることに、Juncker 議長自身も反対していない。また、この期間は、支持率を失いつつある憲法条約や欧州統合そのものに対するEU市民の見解を分析し、今後の方策を決定することに用いられると解されている(参照)。なお、具体策や憲法条約の発効時(目標)は特定されていない他、国民投票や国内議会による審議の日程は、個々の加盟国によって決定されるため、Plan D は何も計画を立てていないとの批判もある(参照)。

 6月16日の会見で、Juncker 議長は、すべての加盟国の態度が固まるのは、早くて2007年半ばであろうと述べているが、同年5月には、フランスの大統領選が実施される。また、オランダの Balkenende 政権も任期を終了している他、イギリスの Blair 首相も退陣している可能性がある(参照)。



フランス国民投票の後に出されたEU(EC)諸機関代表の共同声明

欧州憲法条約批准危機

7ヶ国、批准手続を延期

Q & A

2006年6月の欧州理事会 New





(参照) FAZ v. 16. Juni 2005 ("Eine Denkpause für Europa")

FAZ v. 17. Juni 2005 ("Der Plan D")


(2005年6月17日 記)