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トルコ国旗 ト ル コ の E U 加 盟
Verheugen 欧 州 委 員 の 現 地 調 査


 Verheugen 欧州委員(EU拡大担当)は、2004年9月6日から5日間にわたり、トルコを訪れ、同国が EU加盟基準 を満たしているかどうか、最終調査を行う予定である。過去数年間におけるトルコの取り組みには目を見張るものがあり、加盟交渉の開始は時間の問題とも解されているが、10月6日に公表される報告書の作成に先立ち、Verheugen 欧州委員は、自らの目で現状を確認することになっている。9月6日、アンカラに到着した Verheugen 氏は、欧州委員会は、公正で、客観的かつ実直な報告書を作成することを明らかにし、これをトルコ政府要人に約束した。



Verheugen 欧州委員 トルコの改革を評価


 2004年9月8日、Verheugen 欧州委員(EU拡大担当)は、クルド人居住地区を訪れ、現地の状況について調査した。そして、クルド労働者党(PKK)掃討作戦中に破壊された地域の再建、クルド人住民の再入植支援
参照、また、トルコ語ではなく、クルド語による言論や放送の自由(文化的権利)の保障など、少数民族保護に関するトルコ政府の取り組みを評価する一方で、クルド人の文化的権利をさらに厚く保障し、また、特に、トルコ南西部の経済状況を改善する必要性を指摘した。国内政治を安定させるためには、これらの改革が不可欠であるとされるが、EUに対するクルド民族の期待も大きいとされる。

 (参照) Der Standard 
Die Welt

(2004年9月8日記)

  トルコ訪問後に公表された誌上インタビュー


 2004年9月23日、Verheugen 欧州委員(EU拡大担当)は、もはや拷問は組織的に行われておらず、トルコは、すべての加盟条件を満たしたと述べた。

 (参照) FAZ

(2004年9月23日記)



 トルコ滞在中には、クルド人難民収容所や人権保護団体を訪れ、関係者との話し合いが予定されている。また、先ごろ釈放されたクルド人の人権保護活動家 Leyla Zana 女史との会談も計画されており、人権侵害の実体が浮き彫りになる可能性もある。なお、2002年にErdogan 政権が成立して以来、国家による人権侵害はなくなっており、Amnesty International も拷問は、もはや制度的に行われていないとしているが、国内の人権保護団体からの批判は止まない参照特に、クルド人居住地区である南西部では、司法・警察当局による暴力や(制度化された)拷問の実態が人権保護団体より指摘されており、これらの点について、Verheugen 委員は、トルコの Erdogan 首相や Gül 外相と徹底し て話し合う予定である。さらに、信仰の自由の保障も不完全であるとされており、実際に教会関係者からの意見聴取も計画されている参照


 

 ◎ 離婚に対する刑罰の再導入

 また、欧州委員会は、8年前、憲法裁判所によって廃止された離婚に対する刑罰の再導入に懸念を示している。9月9日、Verheugen 欧州委員は、この法改正を「歴史的な冗談」とみなし、アンカラ政府に再考を促した。EUの外圧を受け、トルコ与党は、法案の国会提出を見送ったが、イスラム法復活の動きはEU市民の懐疑心をあおっている


   New 離婚を可罰の対象にする刑法改正について、詳しくは こちら




(参考) Die Welt
FAZ
Die Presse
ZDF (Verheugen 欧州委員のトルコ訪問に関するビデオ)
トルコ訪問後に公表された誌上インタビュー


(2004年9月7日記 9月23日更新)