フランス と オランダ で憲法条約の批准が否決されたことを受け、同条約の「生命」は危ぶまれているが(詳しくは こちら)、「治療法」について協議するため、6月4日(土)、フランスの Chirac 大統領は、最大のパートナーであるドイツの Schröder 首相を訪問した。当初、ドイツ首相は、EC原加盟国の首脳に出席を呼びかけていたが、オランダの Balkenende 首相 がこれを断ったため、6ヶ国会談は実現しなかった。
独仏首脳の会談は、4日(土)の夜、2時間以上にわたりベルリンで行われた。終了後、記者会見は開かれなかったが、ドイツ政府の報道担当者より、両首脳は憲法条約の批准手続を続行すべきという点で合意したと発表された。これは、批准手続の中止を検討する国(イギリス、アイルランド、ポーランド、スウェーデンなど)が出る中、憲法条約の「生命」を救うため、加盟国に手続の続行を呼びかけたものと解される。また、独仏首脳は、各国は憲法条約に対する自らの立場を決定する権利と義務があるとしている。さらに、6月16・17日の
欧州理事会 を成功裏に導くため、各国に協力を訴えている。特に、主要議題であるEU財政計画 について見解が対立し、新たな危機が生じないようにするため、妥協することの重要性を強調している。最大の財政負担国であるドイツは、かねてより自国の拠出金の削減と、EU財政の縮小を要求してきたが(詳しくは
こちら)、Schröder 首相は、6月3日に示されたルクセンブルク案を受け入れる用意があるとしている。
なお、定例の独仏首脳会談は、6月10日にパリで開催される(New 詳しくは こちら)。また、13日には、英独首脳会談がベルリンで予定されており、16・17日の 欧州理事会 を前に、見解の調整が行われるものと解されている(参照)。
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