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セルビア・モンテネグロとの連合協定締結交渉、開始


セルビア・モンテネグロの国旗 2005年10月10日、EUとセルビア・モンテネグロは、安定化・連合協定の締結に向け、交渉を開始した。同協定は、セルビア・モンテネグロの安定と成長を支援し、EUとセルビア・モンテネグロ間の協力関係を発展させることを目的としているが、@ 両者間の政治的対話、A 地域間協力、B 人、商品、サービス、資本の移動の自由、C 法令の調整、D 司法・内政問題、E 政治的ならびに財政的協力などの項目について定められる予定である(参照)。



リストマーク  連合協定について 



 幾度かの内戦の後、ユーゴスラビアは、国家体制を連邦制から国家連合制に変更し、名称もセルビア・モンテネグロに変えているが(2002年3月)、安定・連合協定の締結は、5年前にミロシェビッチ(Milosevic)大統領が失脚し、親欧政権が発足した後に(本格的に)検討されるようになった。しかし、旧ユーゴ国際刑事裁判所への非協力的な態度、不安定な国内情勢、また、モンテネグロの独立運動などに基づき、交渉が開始されるには至らなかったが、2005年10月初旬、EU理事会(外相会議)は開始を了承した。なお、10月10日、欧州委員会の Rehn 委員(EU拡大担当)は、交渉の進捗状況は、セルビアが国際刑事裁判所に積極的に協力するかいなか、つまり、同裁判所によって告発されている戦争犯罪人を逮捕し、引き渡すかどうかにかっていると述べている(参照)。   

 当初、モンテネグロは独立を希望していたが、EUの働きかけに応じ、セルビアと国家連合体制を組むに至った。しかし、現在、両者は独自の経済制度を運用しており(モンテネグロはユーロを使用している)、EUとの交渉も個別に行われる予定である。なお、欧州委員会の Rehn 委員(EU拡大担当)によれば、来春にも、モンテネグロの独立を問う国民投票が実施される。また、コソボ問題については、年内にも協議が行われる予定である(参照)。

 旧ユーゴスラビア構成国の中で、スロベニアは、すでにEUに加盟している(東方拡大)。クロアチアとの加盟交渉は、2005年10月に開始されたが(参照)、マケドニア を含め、その他の旧ユーゴ構成国の加盟(ないし加盟交渉)は、当面、予定されていない。



 New 交渉の停滞


(参照)

Der Standard v. 10. Oktober 2005 ("EU startet Assoziierungs-Verhandlungen mit Serbien-Montenegro")

Die Presse v. 11. Oktober 2005 ("Kooperation: Serbien-Montenegro nähert sich EU")


(2005年10月11日 記)