EU加盟を希望する国は、EU法の総体系(acquis communautaire) を受け入れなければならない(参照)。クロアチアやトルコに関し、この法体系は全35章に区分されているが、第1章「学術・研究」に関するEU加盟25ヶ国とクロアチア間の協議が、2006年6月12日、ルクセンブルクで行われた。学術・研究に関し、EU(EC)には強力な権限が与えられておらず、政策もあまり発展していない。そのため、この分野の法令の受け入れはクロアチアにとって困難ではないと解されているが(それゆえ、「学術・研究」より交渉が開始された)、現在、EU理事会議長国を務めるオーストリアの Plassnik 外相によれば、この章に関する協議は、12日のうちに終了した(参照)。 同じく12日には、トルコとの間でも、「学術・研究」に関する協議が開始されたが、キプロスからの船舶や航空機の寄港・乗り入れ禁止措置をめぐり、EU・トルコ間で対立が再び深刻になっているのに対し(詳しくは こちら)、クロアチアとの交渉は円滑に進んでいる。オーストリアの日刊紙 Der Standard によれば、欧州委員会の Rehn 委員(EU拡大担当)は、加盟交渉が早期に終了する可能性も十分にありうるとしている。終了後には、EU加盟国とクロアチアとの間で加盟協定が締結され、各国によって批准されれば、加盟が実現する。クロアチア政府は、2009年の加盟を目標に掲げている。トルコの加盟への道のりは、まだまだ長いことが一段と鮮明に認識されるようになる中、クロアチアは目標を早期に達成する可能性が高まっている。
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(参照) |
EUの第2次東方拡大拡大 トルコのEU加盟問題 Der Standard v. 13. Juni 2006 ("Kroatien nimmt erste Verhandlungshürde auf dem Weg in die EU")
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