オーストリアは、トルコのEU加盟に粘り強く反対し、新たな緊張関係を生んだが(詳しくは こちら)、加盟交渉が正式に開始された現在、オーストリアはトルコとの関係改善に努めなければならない。オーストリアは、この課題にすでに取り組んでおり、国民議会(Nationalrat)の Andreas Khol 議長は、EU外相会議(EU理事会)が難航していた10月3日より、3日間の日程で、トルコを訪問している。この用意周到なシナリオは、トルコ側を驚かせている(参照)。
Khol 議長は、まず、トルコの Sezer 大統領と面会しているが、ルクセンブルクにおける外相会議で自国がトルコとの交渉開始(交渉枠組みの採択)に強い懸念を示したため、今回の外遊は、最も困難なものとなったと述べている。しかし、トルコのEU加盟について、オーストリアは国民投票を実施するとの方針をしっかり伝えている。Sezer
大統領はこれに理解を示したとされる(参照)。
Erdogan 首相や Gül 外相とは、交渉開始決定が下された後に面会しているが、両者は非常に友好的で、また、非常に陽気であり、EU加盟交渉がスタートしたことを喜んでいたと語っている。また、オーストリアの主張もよく理解してくれていると述べている(参照)。
オーストリアは、10月3日のEU加盟国外相会議の席でも、EU加盟に代わる案の導入を訴えていたが、後にこれを放棄し、交渉はトルコのEU加盟を目標にして行われことに疑いはないとしている。また、Schüssel 首相は、EU加盟を実現しうるよう、トルコを支援すると述べている(参照)。
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