フランスの国民投票を目前に控え、批准反対論はさらに支持層を拡大しているが(参照)、アンケート調査の結果どおり、反対派が過半数に達し、批准が否決されるようなことがあれば、オランダとルクセンブルクの国民投票にも大きな影響を及ぼすものと解される。
フランス国民投票、批准を否決
オランダでは、フランス国民投票の3日後にあたる6月1日に実施されるが、アンケート調査によれば、批准に反対する見解が優勢である。特に、移民政策が争点になっている。
オランダ国民投票、批准を否決
ルクセンブルクは7月10日に実施を予定している。周辺をEU加盟国に囲まれ、欧州統合の恩恵をより多く受けているこの小国は、伝統的にEU支持論が強いが、フランスやオランダの国民投票がどのような影響を及ぼすか注目される。
なお、フランスと異なり、両国の国民投票に拘束力はない。
5月29日(フランスの国民投票実施日)から、7月10日(ルクセンブルクの実施日)にかけ、EUは運命のときを向かえるが、欧州議会選挙 のように、実施日がEUレベルで調整されていれば、個別的な対応は不要であった解される。なお、オーストリアは、統一した国民投票の実施を提案していたが、他の加盟国より支持されなかった(参照 @、A)。