
フランス 2005年5月29日に国民投票を実施 |
2005年3月5日、Chirac 大統領は、フランスは欧州憲法条約批准の是非を問う国民投票を2005年5月29日(日)に実施すると発表した。今年の元旦、大統領は、遅くともこの夏までに実施すると語っていたが、批准反対派の勢力が増すことをおそれ、早期実施を決定したものと解されている(参照)。
最新のアンケート調査によれば、60%のフランス国民が批准に賛成しており、反対派(40%)を上回っているが、安定・成長協定 に基づく歳出削減(それによって、国内の景気はさらに悪化する)や、 トルコとのEU加盟交渉の開始が決定されたこと (参照@、A)を理由に、反対派が台頭するおそれがあるとされている(参照)。
なお、フランス国会は、2月28日、圧倒的多数の下、国内憲法を改正し、欧州憲法条約の批准に道を開いている(詳しくは こちら)。批准そのものも国会の審議に委ねることも可能であったが、Chirc 大統領はあえてリスクの高い選択肢を選んでいる。大統領は、フランスが欧州統合の推進的役割を担うためには、憲法条約を批准しなければならないと国民に訴えている。
政党は、与野党を問わず、欧州憲法条約の批准に広く賛成しているが、社会党(野党)の中には党是に反し、不支持を表明する著名な議員もいる。また、極右政党や極左政党、また、労働組合員の力が強い
CGT は、主権の喪失と失業者の増大を理由に、憲法条約の批准に反対している(参照)。
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