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安定・成長協定    
Stability and Groth Pact


 EUの通貨統合は、通貨の安定や経済成長は財政均衡によって達成されるという理念に立脚している。このような観点から、EC条約第104条は、加盟国に過剰な財政赤字の回避を義務付け、その監視・制裁手続について定めている(参照)。

写真提供:
Audiovisual Library European Commission


 単一通貨ユーロの安定性を図り、EU内の経済成長を確保するため、安定・成長協定(Stability and Growth Pact)が制定されている。この協定は、以下の決定・規則からなる。

1997年6月17日の欧州理事会(アムステルダム)決定

上記決定を実施するための以下の2つのEU理事会規則(共に1997年7月7日制定)

Regulation 1466/97 
 この規則は、国内財政のコントロールシステム(早期警戒システム)を構築し、また、国内経済政策の監視・調整について定めているが、EC条約第99条の規定をより明確にしている。

Regulation 1466/97 
 この規則は、加盟国の過剰な財政赤字に際しとられる手続について定めているが、EC条約第104条 の規定をより明確にしている(同条第14条第3款参照)。



 どの程度の財政不均衡を「過剰」とみなすかは、過剰財政赤字の取締手続に関する議定書(マーストリヒト条約附属第5議定書)で定められているが、同議定書第1条は、以下の2つの基準を挙げている。

単年度の財政赤字額は国内総生産(GDP)の3%以下に抑えること

債務残高はGDP比で60%以下に抑えること


 欧州委員会は、ユーロ導入国がこの基準に違反していないかどうか監視する。違反が確認されれば、EU理事会は、制裁を課すことができる(詳しくは こちら)。





リストマーク 安定・成長協定の法的拘束力とその見直し については こちら

New リスボン条約による改正については こちら 


(参照) EUのホームページ (英語)

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