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ドイツ連邦憲法裁判所、訴えを却下
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2005年5月12日(木)、ドイツ連邦議会(Bundestag)は、欧州憲法条約を批准するための法案を採択しているが(参照)、審議に先立ち、Peter Gauweiler 議員(CSU)は、憲法裁判所に訴えを提起し、連邦議会の審議日程に異議を申し立ている。同議員の訴えは、5月12、13日の第2、第3読会で法案を可決するとする連邦議会の決定は、@
連邦議員としての自らの権利(ドイツ憲法第38条第1項第2文)を侵害するだけではなく、A ドイツ国民としての政治的自由(第2条第1項)や連邦議会に代弁させる権利(第31条第1項第2文)、さらに、第20条第4項に基づく抵抗権を侵害するとの理由に基づいている。しかし、2005年4月28日の決定において、連邦憲法裁判所は、この主張を退けている(2 BvR 636/05 und 2 BvE 1/05)。まず、@の点については、連邦議会の審議計画は適法な立法手続の実施に関するものであり、暇疵がないこと、また、原告は、連邦議会議員として、審議に参加し、見解を表明しうることが指摘されている。
次に、Aの点については、本来、訴えの対象は、審議日程に関する決定ではなく、制定される法律であるため、その制定前に、国民の権利を侵害する措置はないと述べている。なお、この判断からも読み取れるように、連邦憲法裁判所は、法律の制定後に改めて訴えを提起しうることを認めている。
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