ドイツの主要政党、批准について合意
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欧州憲法条約の批准について、ドイツでは国会(両議院)が判断を下すことになっているが、2005年4月28日、与党 SPD と 野党 CDU・CSU
は批准を支持することで合意した。そのため、両院の批准決定(いずれも、3分の2の議員の賛成が必要である)は確実になった。
4月28日のトップ会談では、ヨーロッパ政策のあり方が争点になり、野党 CSU の Stoiber 党首は、連邦議会の関与の増大を求めていたが、これは連邦政府の交渉権限を弱めるとして、Schröder
党首は要求を却下した。もっとも、EC裁判所判事の指名やその他の案件については、州に共同決定権を与えるなどの譲歩を示した(参照)。
1998年より野党に回っているが、現在は与党より高い支持率を得ているCDU・CSUは、2005年5月12日の連邦議会の審議に際し、異なる法案を提出すると見られている。この法案によれば、EUの意思決定手続に参加する連邦政府の代表は、予め決められた順番に従い、連邦議会の議員の中から選出されることになる。与党
SPD は、これは連邦政府の立場を弱めるとして法案に反対している。
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なお、国民投票の結果が危ぶまれているフランスにポジティブな影響を与えるため、両院の採決は前倒しで実施されることになった(詳しくは こちら)。連邦議会が当初の予定より早く、5月12日に決議をとることについて、CSU の Peter Gauweiler 連邦議会議員は、ドイツ連邦憲法裁判所に訴えを提起していたが、4月28日、同裁判所(第2法廷)は、訴えを退けている(参照)。これによって原告は連邦議会の採決を遅らせる権利を有しないことが明らかにされたが、ドイツ国会が憲法条約の批准を決定した後に改めて訴えが提起される可能性も否定できない。特に、批准の是非は、国民投票によって決定すべきとの立場から、国会による決定の合憲性を争う見解も主張されている(参照)。
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