EU基本権憲章は、以下の7編からなる(全54条)。 |
|
欧州人権条約との相違点 基本権憲章の内容については、特に、欧州人権条約 との相違点に着目しなければならないが、基本権憲章は、@ ヨーロッパの公序である同人権条約とその議定書に大きく依拠している。その他に、A ヨーロッパ社会憲章(1961年)、B 労働者の社会的基本権に関する共同体憲章(1989年)、C EC条約内のEU市民権に関する規定、D EC法上の基本的自由 および 社会的権利(労働者の権利を含む)、また、E EC裁判所の判例法(基本権に関する判断だけではなく、法の一般原則 に関するものを含む)を基に起草された。さらに、F 加盟国憲法上の伝統も考慮されている。それゆえ、欧州人権条約に比べ、基本権憲章は多くの法益を保障している。つまり、欧州人権条約が列挙する 伝統的な基本権 だけではなく、新しい権利、また、経済統合を主たる目的として発展してきたEU・ECの基本的自由や政策目標(文化の多様性、環境保護、消費者保護)が盛り込まれている。さらに、EU・ECの政策を反映したプログラム規定(労働者の権利、社会保障、健康保護)が導入されている。 なお、基本権憲章第52条第3項 は、欧州人権条約に相当する基本権は、同様に解釈・適用されなければならないが、より厚く保障することは妨げられないと定めている(詳しくは こちら)。 |