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Bush大統領のヨーロッパ訪問に関する Solana 氏の論説 〜

実効的なパートナーシップの構築へ向けて


 2005年2月20日、5日間にわたるブッシュ大統領のヨーロッパ訪問が開始されたが、2月21日付けのドイツ FAZ 紙には、EU共通外交・安全保障政策の上級代表である Solana 氏の論説が掲載された(参照)。その概要は以下の通りである。




 ブッシュ大統領のヨーロッパ訪問は、以下の2つの点の重要である。

@  大統領は、ヨーロッパとアメリカの関係強化を望んでいること

A  アメリカは、EUを自国の話し相手として認めていること


 我々はこの申し出に応えるべきであり、米国の最も良きパートナーであることを示すべきである。 

 アメリカとヨーロッパは、平和と安全のための世界最強のパートナーであることには変わりがない。しかし、この共通の目標の実現方法に関し、両者間には対立が見られた。今後、我々は話し合いを充実させ、種々の世界問題について、共通の態度で臨むべきである。

 欧米諸国の協力は、すでに、国際テロリズム対策の面で功を奏しているが、今後は、テロリズムに対する資金援助やテロリストの養成、また、第3世界の支援について、パートナーシップを強化すべきである。

 アフガニスタンの大統領選挙やイラクの復興支援は、EUと米国の共同作業が成功したことを如実に示している。今後、EUは、国連安保理の決議(1546号)に則し、イラクへの支援を強化すべきである。特に、アメリカと協力し、イラクの民主化、憲法制定、実効的な政府機関の設立に尽力する意思がある。

 北大西洋間のパートナーシップは、ウクライナの大統領選挙の際にもうまく機能した。確かに、共通の戦略が定められることはなかったが、真に自由で公正な選挙の実現という点で、我々の目標は一致しており、その実現に貢献することができた。

 さらに、バルカン半島の復興にも、欧米諸国は貢献している。ここでは、EUが主導的な役割を果たしているが、米国の支援を受けている。

 これらのことは、我々が目標を共にするとき、大きな成果が得られることを示している。そして、現在は、2つの大きな課題に直面している。1つ目は、イランの核開発を阻止することである。その上で、同国を国際社会に統合させる必要がある。EUは外交ルートを通じた平和的解決を望んでいるが(参照@A)、それには米国の支援が必要であることは明らかである。

 第2に、中東における和平の実現である。アフガニスタン大統領選挙の成功は高く評価することができ、また、同時に希望をもたらしている。近時の停戦合意が遵守されるよう、我々もあらゆる支援を行うべきであるが、何よりも、イスラエルがガザ地区から徹底することが重要である。その後、同地区の復興を支援しなければならない。すべては非軍事的になされるべきであるが、イスラエルのためには、平和と安全を確立し、また、同国が周辺諸国によって承認されるよう、働きかけるべきである。他方、パレスチナに対しては、独立を保障し、1967年より続いている占領を終わらせる必要がある。

 もちろん、その他にも、アフガニスタン、中国、ロシア、地球温暖化、国連改革、核不拡散防止条約の見直し、WTOのドーハ開発アジェンダ など、課題は山積しているが、ブッシュ大統領の訪欧は、我々のパートナーシップを強化するよい契機となる。


(参照) FAZ v. 21. Februar 2005 (Javier Solana, Eine funktionierende Partnerschaft)


(2005年2月25日 記)