2008年2月20日、欧州議会(総会)はリスボン条約について審議し、圧倒的多数の議員の賛成の下、新条約を支持する決議を採択した。支持を表明した議員は525人、不支持を表明した議員は115人であった(現行定数は785)。
大多数の議員は、新条約が欧州議会の権限(民主的統制権)を強化するだけではなく、EU市民の権利保護やEU諸制度の実効性を向上させるといった点を評価しているが、条約の分かりにくさや、EUのシンボル や加盟国に対する特例が盛り込まれなかったことに対する批判も聞かれた(参照)。なお、不支持にまわった議員からは、リスボン条約は欧州憲法条約のコピーに過ぎないとする見解が主張された。
リスボン条約は、全EU加盟国の批准によって発効する(第6条第1項)。そのため、欧州議会の条約の効力に影響を与えないが、今回の決議は、まだ批准していない加盟国に早期批准(2008年内の批准)を訴える意義がある。
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