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スロベニア、クロアチアとの交渉阻止を中止

クロアチア国旗 2005年10月、EUはクロアチアおよびトルコと加盟交渉を開始させた(参照)。トルコの加盟に関しては、EU加盟国内の反発が強い一方で(参照)、クロアチアとの交渉は、同国が旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所に協力すれば、スムーズに進展すると考えられていた。しかし、隣国スロベニア(2004年5月にEU加盟)との領海問題の悪化によって状況は一転する。クロアチアとスロベニアは共に旧ユーゴスラビア連邦に属していたが、1991年の独立以来、アドリア海上の領海区分や公海へのアクセスをめぐり争っており(参照)、2008年12月、スロベニアが加盟交渉をボイコットする事態にまで発展した。

 2009年下半期、EU議長国を務めるスウェーデンはボイコットの中止を強く要請していたこともあり、9月11日、スロベニアの Borut Pahor 首相は、紛争の解決を国際仲裁裁判所に託すことでクロアチア政府と合意したと発表した。また、国内議会の承認が必要となるが、ボイコットを中止する方針を明らかにした(参照)。

 EU加盟の条件として、第3国は全35章からなる EU法の総体系(acquis communautaire を受け入れなければならないが、スロベニアについては、すでに22章の調査が開始され、7章では暫定的に調査が終了している(参照)。2010年中旬までにすべての審査を終了させ、早ければ2011年にEU加盟が実現する可能性がでてきた 。

 



(参照)

欧州委員会の公式サイト (クロアチアに関するニュース)

EUの第2次東方拡大拡大



(2009年 9月 14日 記)