Top      News   Profile    Topics    EU Law  Impressum          ゼミのページ




2004年上半期 EU理事会議長国

アイルランド


 2004年1月1日、アイルランドはイタリアより欧州理事会議長国のたすきを受け継いだ。オランダに議長国 のポストを引き渡す同年6月末まで、北西ヨーロッパのこの小国がEUの政策・議事を司ることになるが、任期期間中には、EU拡大が実現される予定である(5月1日)。新規加盟10カ国 とは、地理的にかけ離れているため、アイルランドは、EU史上、最も大規模な拡大の「蚊帳の外」にあるような印象も受けるが、新規加盟国より、理想にされることも少なくない。その理由は、政治的発言力の強い大国(つまり、イギリス)の隣にあってもなお、自らの立場をしっかりと主張し、欧州統合過程においても、独自の見解を明確に打ち出していること、また、近時は、経済的に目覚しい発展を遂げていることにある。新条約締結の是非は、国民投票ではかられるため、今後のEU発展にも「障害」となりかねないことは確かであるが、ヨーロッパとアメリカの中間にあるといった地理的背景のもと、大西洋同盟関係の修復に貢献することが期待されている。


 EUにとって、2004年上半期は、決断と実行の時であったと言え よう。特に、5月に入ってから、EU拡大欧州議会選挙欧州憲法条約草案の採択 など、注目に値する史実が生じた。そして、最後まで加盟国の見解がまとまらなかった次期欧州委員長候補者選びも、議長国アイルランドの主導下、6月29日夕方に終了した (詳細は こちら。一連の成果の裏には、アイルランド政府の尽力があったとされ、Ahern 首相の功績は高く評価されている。

(2004年6月30日記)


 2004年7月21日、Prodi 欧州委員長は、欧州議会(ストラスブール)において、アイルランドがEU議長国を務めた半年間について報告し、特に、欧州憲法 の採択に向けた外交手腕と功績を高く評価した。報告の中では、欧州憲法の重要性と今後の課題についても言及されている。その他、2004年上半期には、新たにクロアチアもEU加盟候補国のリストに加えられ、バルカン半島諸国のEU加盟に道を開いたことが評価されている。

 (参照) 欧州委員会の公式サイト

(2004年7月22日記)




 アイルランド国旗 
アイルランドEU理事会議長国のホームページ (英語)

次期議長国はオランダです参照