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Verheugen 欧州委員 ウクライナとトルコのEU加盟について語る



  EU拡大担当の欧州委員として、東方拡大 を指揮してきた Verheugen 欧州委員(2004年11月より産業政策等担当)は、2004年12月5日付けの Frankfurter Allgemeine 紙のインタビュー記事において、大統領選で揺れている ウクライナトルコ のEU加盟問題について語った。その骨子は以下の通りである。

Verheugen 欧州委員

写真提供
Audiovisual Library European Commission



リストマーク EU加盟交渉において、ウクライナは軽視されていないか。

 そのようなことはない。Prodi 前欧州委員長の下、我々は、2003年当初より、欧州近隣政策 の構想を描いてきたが、ウクライナとイスラエルには、最も多くの関心が注がれてきた。ウクライナとの交渉は非常に困難であったが、行動計画が策定されるにいたっている。


リストマーク ウクライナはEU加盟を目指しているのか。

 その通りである。Kutschma 大統領は加盟候補国としての地位を与えるよう、我々に再三、要請してきたが、簡単に応じるわけにはいかない。



リストマーク Prodi 前欧州委員長は、ウクライナのEU加盟に反対していたとされるが・・・

 そのようなことはない。しかし、30〜40年後の戦略は分からないが、ウクライナのEU加盟が今日のテーマではいことは確かである。


リストマーク EUはウクライナの民主化を支援していないのでは・・・

 そのようなことはない。外部よりウクライナの民主化を促進しているのは、EUと米国のみである。


リストマーク その一方で、EUはトルコの民主化や人権制度の改善に大きく貢献しているが・・・

 問題のあるすべての国に、EUが干渉する必要性はない。ウクライナの場合とは異なり、トルコに対し、EUは明確な責務を負っている。なお、ウクライナのEU加盟を強力に支持しているのは、ポーランドのみである。


リストマーク それでは、ウクライナをロシアの勢力化に置くほうがよいのでは・・・

 そうではない。もしそうであるとすれば、欧州近隣政策 は不要である。東方拡大 によって、その他の東欧諸国が不利に扱われることは避けなければならない。


リストマーク あなたは当初、トルコのEU加盟に消極的であったが・・・

 1999年に新しい戦略を立てたとき、トルコがこれを実施しうるかどうかは定かではなかったが、Ecevit 前政権の下で、トルコは制度改革を急速に実現してきた。一種の文化革命が起きたと言える。


リストマーク 来たる17日、欧州理事会は、トルコとの加盟交渉開始を支持するか
参照

 予想は困難であるが、10月6日、欧州委員会は、全会一致で加盟交渉の開始を決定した
参照。欧州理事会はこの提案を受け入れるものと考える。



(参照) FAZ v. 5. Dezember 2004 (Die Ukraine würde uns überfordern)


(2004年12月7日 記)